人間が月に住むために必要なこと。月に住むのは本当に難しい
肌が月の表面みたい
どうも進撃の期間工です!
月は人間にとって最も身近な天体ですよね。
古くから信仰の対象になったり、月の光には魔力があると信じられていたりします。
また、実際に生物の産卵や誕生の周期に深くかかわっていたりと様々な影響を地球に与えています。
そんな月は人類が地球以外で到達したことがある唯一の天体でもあります。
いつか月に住める日が来ることを夢見て、今回は月の環境について考えてみました。
月の表面の環境は当然地球とはかなり違っています。
地球で暮らしている私たちには想像もつかない月の過酷な環境を様々な角度から見ていきましょう。
目次です!
- 月の地表面はどうなっている?
- 月の海と呼ばれる黒い部分
- 月の地面は非常に危険
- 月の重力はどれくらい?
- 一日の長さは?
- 月の気温はどれくらい?
- 月に住むのは非常に大変
- 月にすんだら水はどうする?
- 月の空気はどうやって作るか?
- 月の上で食べ物は作れるのか?
月の地表面はどうなっている?
月の表面は地球からも見えますが、なんだか殺風景で少なくとも地球のように水や自然が豊かな感じには見えませんよね。
そんな月の表面にはクレーターと呼ばれる丸いぼこぼこした穴がたくさんあります。
これは隕石が月の地表に衝突した後です。
月にはほとんど大気がないため、隕石は燃え尽きることなく月に衝突するため、
あのようにたくさんのクレーターができます。
実は地球にもクレーターは存在するのですが、地球の場合は大気があるため、
ほとんどの隕石は地表に衝突する前に燃え尽きてしまうため、月ほどのクレーターは存在しません。
月の海と呼ばれる黒い部分
海と言っても地球のような水のある海の事ではありません。
月を見ると他よりも暗い部分があります。これを月の海と呼んでいます。
この海は昔、月に隕石が衝突した際に月の中心からマグマが噴き出て固まった玄武岩の層だと言われています。
この玄武岩が周りよりも光を反射しづらいので、暗く見えるのです。
月の地面は非常に危険
月の地面は岩だらけなんじゃないかというイメージですが、実は度重なる隕石の衝突によって大量の塵が積もっています。
この塵は非常に細かく、月の表面に数十センチの層を作って積もっています。
月の上で走り回ると大量の塵が舞い上がり、機械や宇宙服の隙間に詰まって故障の原因になるなど、大変なことになるらしいです。
月の重力はどれくらい?
月の重力は地球の6分の1程度です。
体重が軽くなるから嬉しいような気もしますが、実際はこれも問題になります。
重力が弱い状態では人間は自分の体を支える必要がないため、骨や筋肉はそれほど丈夫である必要がなくなります。
そうなると、骨から徐々にカルシウムが減っていき、骨粗しょう症になりやすくなるのです。
また、筋肉量が減ることで、基礎代謝も減るので、太りやすくなります。
そして、心臓も重力に逆らって血液を送る必要が減るため、心臓の機能も退化してしまいます。
月に住む場合は骨や筋肉が退化しないように毎日運動をする必要があるでしょう。
一日の長さは?
月の1日の長さを月の自転の周期とすると、月の一日の長さは27.3日です。
地球の1か月≒月の1日ほどになります。
月の一日はそれほど長いのです。
また、月の1年の長さを地球の周りを公転する周期とするとこれにも面白い特徴があります。
普段、何の不思議もなく眺めている月ですが、地球から見える月はいつも同じ模様ですよね?
実は月の自転と公転の周期は全く同じなのです。
そのため、月は常に同じ方向を地球に向けているわけです。
月の気温はどれくらい?
月の表面の温度はかなり過酷です。
赤道付近では昼間は摂氏110℃になり、夜間は摂氏マイナス170℃にまで落ち込みます。
こんなに温度差があるのには理由がいくつかあります。
まず、大気や水が月にはほとんどありません。
地球は大気や水があるおかげで、温度の上昇も下降も緩やかになりますが、
月はこういった媒体が無いため、温度が激しく変化します。
次に昼と夜の周期が長いのも、温度差が激しくなる原因の一つです。
先ほど月の自転と公転の周期は同じと言いましたが、
月の公転周期は27.3日なので月の自転周期、つまり昼と夜の周期も27.3日ということになります。
実際には月も公転して太陽の周りを回っている分、昼と夜の周期はより長くなり、29.5日にもなります。
約半月間の昼が続いた後に、半月間の夜が続くという気の長い周期なので、
昼は温度が上がり続け、夜は温度が下がり続けます。
そのため、昼夜の温度が激しくなります。
月に住むのは非常に大変
さて、では将来人類が地球に住むとしたら、どのようなことがポイントとなるのでしょうか?
残念ながら地球と同じように屋外に住むのは難しいです。月には大気が無いため、窒息死してしまうためです。
またこの大気が無いということは、大きな問題があります。
それは太陽から降り注ぐ放射線です。
地球はオゾン層や地磁気によって、太陽放射線から守られていますが、
月には大気も磁気もほとんどないため、強い太陽放射線が降り注ぎます。
また、太陽は時々大きな爆発をすることがありますが、この時の放射線は致死量に達するほどの強さがあるため、
月に住むのであれば、放射線対策は必須となります。
この放射線と昼間の厚さ、夜の寒さを避けるために、月では地下に住むことによってその影響を防ぐことが提案されています。
建物を造るための材料は月の砂の中に鉄、アルミニウム、ケイ素が含まれていますので、
これらを上手く摂り出すことによって、利用することができると考えられています。
月にすんだら水はどうする?
人が体を維持していくのに必要な水は約3リットルと言われています。
その他に体を洗ったりするためにもまた水が必要となります。
実は月の北極や南極には常に陰になっている部分があり、ここに氷がある可能性が高いと言われています。
通常、月の表面では水は太陽光線ですぐに酸素と水素に分解されて宇宙空間に拡散してしまうため、存在することができません。
しかし、月の北極と南極は地球と同じように常に低温のため、水が氷で存在していると考えられています。
ただし、含有量は数パーセントと非常に低く、この氷を溶かして水を取り出すことは非常に難しいです。
そのため、水だけは地球上から運ぶか、または水素だけを地球上から運んで月の砂に大量に含まれている酸素と化合させて水を作りだすことが必要になるでしょう。
月の空気はどうやって作るか?
人間が呼吸をする際に重要なのは、言うまでもなく酸素ですが、
月の表面を覆ている大量の塵にはたくさんの酸素が含まれているため、
将来月の塵から酸素を分離して気体にすることが出来れば酸素の問題は解決します。
また、作り出した酸素と水素を化学反応させて、水を作ることも可能ではないかと考えられています。
月の上で食べ物は作れるのか?
野菜などは地球上でも既に人工の光と水と肥料から野菜を栽培する工場が出来ているので、それを応用すればなんとかなりそうです。
しかし、魚を養殖したり、家畜を牧畜したりするのは、やはり重力などの関係から技術的なハードルがかなり高そうです。
もし、様々な問題をクリアして移住したとしても地球と全く同じものを食べるのは当分の間は厳しそうですね。